トップページ
病院概要
院長挨拶
院内紹介
脳ドック
ケガの豆知識
求人情報
診療時間
アクセス

乳幼児の頭部外傷


 2歳未満のお子さんでは、転倒などにより軽く頭を打っただけなのに後になって頭の中に血のかたまり(血腫)ができて症状を表し、手術などが必要になる場合が稀にあります。

 これは乳幼児の慢性硬膜下血腫といって、頭蓋骨の中にあって脳を包んでいる硬膜と脳の表面の隙間に頭部外傷に伴い小さな出血が生じ、この出血を吸収しようとして形成されてきた反応性被膜の新生血管から逆に硬膜下腔に出血を繰り返し、また浸透圧の関係で髄液を吸収して大きくなり、脳の表面を圧迫したり刺激したりして症状が出てくるとされています。
 この慢性硬膜下血腫の形成される期間は通常1〜3ヶ月です。従って多めにとって6ヶ月はお子さんが頭を打ったことを覚えておいてください。

 慢性硬膜下血腫の主な症状は、
  
 (1)ぐずる。機嫌が悪くてよく泣く。
   (
2)何度も吐く。
   (3)けいれん(ひきつけ)を起こす

であり、そのほかに頭囲の拡大、大泉門の膨隆、運動発達が遅れるなどです。これらの症状が出現したら速やかに頭部断層撮影(CTスキャン)などの検査が必要です。必ず脳神経外科外来を受診してください。


 急性硬膜下血腫は頭部打撲の後、数時間以内からせいぜい2〜3日以内に生じますが、その症状も
(1)(2)(3)が急激に生じるものです。ですから機嫌が良く嘔吐もなければまず頭の中の出血を心配することはありません。